都の子

2004年6月13日 読書
文庫 江國 香織  集英社

本日の読了。

江國さんの初エッセィだそうです。知らずに借りてきました。

どうして江國さんの書くものがこんなにも素敵なのか、ちょっと判った気がしました。他の作家さんよりもひらがなが多いのです。

この方は手書きで原稿を書いている、と何かのあとがきにありました(確か、「落下する夕方」の文庫版だったと思う)。

ワープロを使ってしまえば自動で変換してくれる漢字も、彼女の頭の中では変換しないのかな。手紙を書いているときによく思うのです。漢字って案外使えないなと(パソコンに頼りっきりな今がよくないのだけど)。

彼女の、頭の中で描かれた言葉がダイレクトに、ストレートに伝わるから素敵なのかなって思いました。

「すてき」とか「かわいた」とか、ひらがなで書くとだいぶイメージ変わりますね。

「遅刻」って書くより「ちこく」って書くほうがなんか許される気がする。遅刻はいけません。



思い出した。
高校の頃、担任の先生が授業に遅刻した生徒全員に「遅刻」というタイトルで作文を提出しなさいと宿題を出しました。
私も遅刻したので「遅刻はよくない、反省している」みたいなお決まりの作文を書いたのだけれど、友人が「ちこくってひらがなで書くと可愛いと思ったから、その可愛さに付いて原稿用紙3枚書こうと思ったけど、怒られそうだからやめておく」と言っていた。

彼女の感性は、私とはまるで逆で、でもとても好きだった。今はもう連絡を取り合うこともないけれど(年賀状は毎年出しているのだけれど、返事がきたのは最初の2年だけでした)、また会うことがあればいいな。


江國さんの本を読むと、懐かしい人を思い出します。
その中には現在も親交がある人もいますけど、えーっと、「出会った頃」を思い出します。

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