「見える」ということ。

会社の人に
「salaさんは人生が楽しいでしょう。もちろん、辛い事や悲しいことはあるけれど、君の根本に流れているものは『そう悪いもんじゃない』でしょ？」
と言われる。

その人に私がそう見えているならそれでいい。
そう思った。
私が実際どうであれ、その人にとって私は「明るくて元気で、幸せな女」なのだから、わざわざ否定することもない。

「ええ、そうですね」
曖昧にうなずいた。何か言いたそうだったけど、私が何も言わなさそうなのを察知して自分の話を続けた。

その人は、一見面白い人に見える。暗そうなんだけど、ボソボソと面白いことを言う。
もう少し深く付き合うと、「生きるのが大変そう」な人に見える。
実際話を聞くと、大変なりに生きてきたみたいだ。
（ちなみに、睡眠薬を1か月分一気に服用しても死ねなかった、というような話をしてくれた）

少しだけ深い話をして、リラックスする方法を教えてもらった。
でも結局、自分で何とかしたいと思わなければ、他人がどうこうできないんだよね、という結論に至った。

私が「死にたいなら勝手に死ねば」と突き放せないのは、
ただ単に「死にたい彼」が心配なわけじゃなくて、
本当に死んでしまった時に後味が悪いから、ってだけじゃないかなーって気がしてきて、
じゃあ本気でその彼が死にたいのなら
一緒に死んであげたらいいの？　とか思うけど、
恋人でも親子でも兄弟でもないのに、それはどうよ？　と思うので（そもそも、どのくらい本気なのかわからない）
「あなたが死にたくなった時、他人にどうしてもらいたいですか？」と聞いてみたわけですよ。

「salaさんはその人のことが好きなわけ？」と根本的な質問をされた。まぁ、私の心配の仕方をみれば、そう取られてもしょうがないと思う。
「違いますけど。…家族みたいなかんじ」
それで納得してもらえた。
けど
「素質と育ってきた環境があるから、例えば結婚とかして一時的によくなったとしても根本は変わらない。いつまでも彼は苦しみ続けるよ」
と言われて、正直、ゾっとした。
さすが、私の倍を生きてきて、その大部分を苦しんできた人は言う事とがリアル。

感心している場合ではない。
カウンセリングを受けたりすればよくなるそうなのだけど、……騙して連れて行く、以外の方法が思い浮かびません。
年を取るとどんどん凝り固まって受け入れられなくなるから…今のうちだとアドバイスももらったけど、
無理です。
完全に力不足です。
彼は私の言う事に何一つ耳を傾けない。

私はこうも無力なのに、その「死にたい彼」はどうして私にそれを訴えるのでしょう？
判ってくれそうだと思われているのかな？
私から見れば、あんなにいろんな人に愛されて、何不自由なく生きているように見えるのに、何が不満なのだろう？
いいけど。
その、何ていうの。

彼が「死にたい」というたびに私もそうしたくなって、
つい口に出したらとうとう父に叱られました。

他人のことまで余裕がない…。そう思いつつ、自分の問題をスリ代えて、目を背けているような気がしてきた。

逃げてばっかりだ。