ビックリしたまえ。

残業をしていたら、社長がおすしを食べに連れてってくれた。
ネタが新鮮で少しお高めの回るおすしです。

いやぁ、美味しかった。
「今からハマチおろしますよー！　どうですかー」って聞いてくれます。ハマチ、美味しかったです。ビントロも。

そこのお店は握る人と巻く人（軍艦巻き）が別になってるみたいで、たまたま私の前にいたおにーさんは「握る人」でした。

私はそのおにーさんにイクラを注文しました。
そろそろおなかイッパイだった私は、イクラで閉めようかなぁと思っていたのです。

握るおにーさんは、巻くおにーさんに「イクラねー！」と伝え握っていました。その後、他所のお客さんの注文が大量に入って、てんてこ舞いしていて面白かったです。4品までは何とかなるけど、5品は覚えられないなぁと思いました。

握るおにーさんも巻くおにーさんもてんてこ舞いしてました。
私は「イクラまだかなー」って思いつつ、握るおにーさんの握るおすしを見てました。面白いよね、ああいうの見るの。

その。
後からのお客さんのが全部出て、次のお客さんのも全部出てもイクラが来ない…。隣に座っていた課長が「salaちゃんのイクラこないねー」と同情してくれました。

その時、握るおにーさんが
「…あれ、イクラ来ました？」って聞いてくれました。
「まだです」と返事すると、「スイマセン、すぐ握ります」って握るおにーさんが巻いてくれました。

課長が「…覚えててくれたね」ってビックリしたみたいでした。
間髪入れずに「私が可愛いからですよ」って言ったら、
すんごい
なんていうの、

哀れなものを見る目で見てきました。

「……まぁ、好みは色々だからねぇ」と曖昧なことを言われました。

冗談ですってば。
実は私もビックリしたんですってば。絶対忘れられてるし、おなかいっぱいだから別にいいかーと思っていたから。

よくよく考えてみると。
子供がするようにじっとおにーさんの手元を見ていたから気になったんじゃないのかなぁと。
じっと見ていると
「イクラーイクラー。イクラはまだー？」と呪いをかけているようなオーラが出ているのではないのかと。

プレッシャー与えてゴメンね、おにーさん。
実はあなたのそのしもぶくれがすごく気になっていたの。

長い間待って恋焦がれたイクラは大変美味しかったです。